日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
ラットMNNG実験胃癌の発癌過程における細胞核DNA量に関する研究
富野 佳朗
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キーワード: 実験胃癌, 細胞核DNA量
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1983 年 80 巻 10 号 p. 2188-2194

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抄録

ヒト悪性腫瘍においては, その細胞核DNA量は増加することが知られているが, これがいつ•いかなる組織所見にともなつて出現するかは知られていない. そこで著者はラットMNNG実験胃癌系において, Feulgen-DNA-cytofluorometry により細胞核DNA量をその組織学的所見と対比しつつ sequential に測定した. その結果, MNNG投与2週目よりの組織学的異常を認めえない時期での早期異常と投与29週目よりの組織学的に癌の発生をみる直前に出現する晩期異常を認め, 細胞核DNA量の異常は発癌過程において, bimodal な変化を示すことが示唆された.

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