1983 年 80 巻 10 号 p. 2195-2201
入院および外来患者57例で, 血清ペプシノーゲン各成分値と胃酸•ペプシン分泌各成分量との相関を検討した. 血清 group Iペプシノーゲン (PG I) 値および総ペプシノーゲン (T-PG) 値は, 胃液酸•ペプシン分泌各成分量との間で有意な正の相関を示し (p<0.001), とくに刺激後胃液酸•ペプシン分泌量と高い相関を示した (r=0.84~0.87). 血清PG II値も胃液酸•ペプシン分泌各成分量との間で有意な正の相関を示した (p<0.05~0.001) が, 血清PG I値より低い相関を示した (r=0.32~0.67). 以上より, 血清PG I値およびT-PG値は,"血清学的胃液分泌機能検査法"として臨床に使用しうる可能性が示唆された.