1983 年 80 巻 10 号 p. 2249-2255
手術的に切除され病理組織学的検索が可能であつた胃壁内迷入膵の29症例30病変につき, 主として病理組織学的立場から検索した. 胃壁内迷入膵はその肉眼所見から, 二つの型に大別でき, 両者には, その存在部位, 大きさ, 胃壁内における病変の主座, および構成成分等に違いが認められた. 粘膜固有層内に腺房を認めるものは40%あり, 生検診断の可能性が示唆された. また中央の陥凹は全体の57%の高率にみられたが, その形状には種々のものがあつた.