日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
ラット中枢神経原性ストレス胃潰瘍モデル
潰瘍発生部位と cimetidine 及び atropine の作用
大橋 広文伊藤 善朗土屋 十次日野 輝夫野々村 修林 幸貴坂田 一記
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1983 年 80 巻 2 号 p. 147-155

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抄録

クモ膜下出血が病因的に関連したストレス胃潰瘍ラットモデルを開発した. 2) 迷走神経を介する攻撃因子が潰瘍発生に重要な因子となつていた. 3) cimetidine 15mg/kgと atropine 50μg/kgを同時併用したときの潰瘍抑制率は各単独投与時のそれより著明に低下した (p<0.02). 4) cimetidine 15mg/kg投与時の胃酸分泌抑制効果は有意に認められた (p<0.02). しかし, atropine 50μg/kg投与では弱いか又は認められなかつた. cimetidine のそれは atropine 同時投与により著明に減殺された. 5) cimetidine 15mg/kg投与時の幽門部潰瘍抑制率は atropine 50μg/kgを同時投与することにより, 又 atropine 投与時のそれも cimetidine を同時投与することにより著明に低下した (p<0.001).

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