日本消化器病学会雑誌
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Print ISSN : 0446-6586
Clostridium difficile を検出した13症例の臨床的検討
福田 博英井手 孝市村 経敏原口 増穂森 理比古村上 一生牧山 和也斉藤 厚原 耕平
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1983 年 80 巻 4 号 p. 954-962

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抄録

各種疾患患者の糞便から C. difficile とそのtoxin の検出を試み, 63検体中16検体25.4%, 45例中13例28.9%に陽性に検出された. 抗生剤投与後に発症する偽膜性腸炎は, 毒素産生能を有する C. difficile が関与していると考えられた. 症例によつては偽膜を形成せず, びらん, 浮腫, 出血などの所見の場合もみられた. 潰瘍性大腸炎症例でも毒素産生性の C. difficile が検出され, その疾患の再燃や悪化に本菌の toxin が関与している可能性が示唆された. また Metronidazole は本菌の除菌ならびに症状改善に有効であつた.

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