各種肝疾患患者を対象に血清 Angiotensin Converting Enzyme (以下ACEと略す) 活性を測定した. ACE活性は急性肝炎極期, 慢性肝炎, 肝硬変症で上昇を認めたがとくに肝硬変症でのACE活性の上昇が著しかつた. 一方, 脂肪肝では正常範囲内にあり, 閉塞性黄疸ではむしろ低下傾向を示した. このACE活性の上昇機序は肝細胞障害に伴うACE分解能の障害によるものが第一に考えられ, 蛋白異化能の障害を反映する肝障害の指標としての臨床的応用がACE活性を測定することにより可能と思われる.