日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
進行性全身性硬化症の十二指腸運動機能障害に関する研究
小暮 道夫関口 利和西岡 利夫
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1983 年 80 巻 8 号 p. 1590-1598

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抄録

進行性全身性硬化症 (PSS) の患者27名と健常人19名の十二指腸運動を infused catheter method で測定し, 小腸に特徴的な一連の収縮運動, interdigestive migrating motor complex (IMMC) とセクレチン負荷により発現する secretin-induced IMMC (SI-IMMC)を比較検討した. PSS群ではIMMCの振幅をはじめ, 運動の諸成分の低下が見られ, SI-IMMCも同様の傾向を示し, 十二指腸運動機能の低下を認めた. またPSS症例の病型分類, Raynaud 現象の有無, 上部消化管X線検査所見, 病悩期間10年末満ではその期間に応じてIMMCの振幅が変化する傾向を認めた. PSSのセクレチンに対する反応は健常人と変らず, 十二指腸運動機能の低下は主に腸管壁で, その固有筋自体の変化によることが推察された.

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