日本消化器病学会雑誌
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ビリルビンカルシウム石における胆汁および胆石中胆汁脂質に関する研究
小野地 章一枡 明彦高橋 渉鈴木 範美
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1984 年 81 巻 10 号 p. 2552-2560

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抄録

胆石症例の胆嚢胆汁並びに胆石中の脂質を高速液体クロマトグラフィーを用いて分析し, とくにビリルビンカルシウム石例を中心に他種結石例と比較検討した. ビリルビンカルシウム石例の特徴として, 胆嚢胆汁の分析では遊離型胆汁酸の検出, 胆汁総脂質濃度の低下および lithogenic index の高値が認められた. 胆石の分析では, コレステロール, 脂肪酸, 総胆汁酸がそれぞれ, 10.8%, 6.3%, 5.3%含有されており, 総胆汁酸量の36.5%は遊離型胆汁酸であつた. また胆石中抱合型胆汁酸はビリルビンカルシウム粒子が凝集, 結石化する際に, 胆石中に取り込まれたものと推察された.

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