1984 年 81 巻 4 号 p. 1050-1061
われわれは慢性膵炎およびその疑診例 (計59例) に caerulein secretin test と endoscopic retrograde pancreatography (ERCP) を施行し, 膵外分泌機能と膵管像の関連性を検討した. 対象はERCPにおいて主膵管に中等度以上の不整拡張のあるA群 (n=15), 膵管分枝に限局した不整拡張のあるB群 (n=12), 正常膵管像のC群 (n=32) に大別された. 各分泌因子についてAまたはC群に対する sensitivity, C群に対する specificity, 全体の efficiency を求めると, bicarbonate output と volume の efficiency はもつとも高率 (83%) であり, また amylase, lipase, trypsin, chymotrypsin の efficiency は70~75%と同等であつた. bicarbonate output から個々の症例がA, B, C群のいずれかに属するかを推定すると, AおよびC群と推定した一致率はそれぞれ88%および80%であつたが, B群と推定した一致率は29%に過ぎず, 全体としては64%の一致率であつた.