日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
選近迷切術後の胃粘膜内G-細胞, D-細胞およびEC-細胞の動態に関する実験的研究
野見山 世司竹田 靖佐々木 義文中村 憲二西岡 文三藤田 佳宏間島 進井口 秀人吉中 正人川井 啓市竹内 義博
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1984 年 81 巻 5 号 p. 1159-1164

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抄録

イヌを用いて選択的近位迷走神経切離術後の胃幽門洞粘膜内でのG-細胞, D-細胞およびEC-細胞, 胃体部粘膜内でのD-細胞, EC-細胞の細胞数の変化を免疫組織学的に検討した. その結果, G-細胞はspv術後3カ月で hyperplasia を示し, 術後2年でも hyperplasia が認められた. D-細胞は, 幽門洞ではspv後1年で, 体部粘膜では術後2年で hyperplasia が認められた. 一方, 細胞は幽門洞粘膜では術後2年で hypoplasia が, 体部粘膜では術後1年で hyperplasiaが認められた. 以上より, 選近迷切後では胃粘膜内G-細胞, D-細胞およびEC-細胞はそれぞれ異つた変化を呈し, 迷切術後の時間経過によつても異つた動態を呈する事が明らかになり, 選近迷切術又はその術後の観察にはさらに詳細に消化管ホルモンの動態を検討する必要がある事が示唆された.

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