日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
血中HBV-DNA polymerase 活性とHBe抗原•抗体系との比較検討とその経時的変動について
斎藤 純夫渡辺 省三吉川 明上村 朝輝市田 文弘
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1984 年 81 巻 5 号 p. 1223-1229

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抄録

血中HBV-DNA polymerase (DNA-P) 活性とHBe抗原•抗体系との関連について検討し, 各種B型肝炎患者17例については, それらとトランスアミナーゼ値との関連につき検索した. DNA-P活性とMO法でのHBe抗原の濃度とは有意に相関を認めた. 一方, MO法でのHBe抗体陽性の多くはDNA-P活性が陰性であつた. RIA法でのHBe抗原価とDNA-P活性値との相関は低い傾向であつた. また, HBe抗体持続陽性で, DNA-P活性が陽性を示す2例のB型慢性肝炎 (活動性) を経験したことから, HBe抗原•抗体系とDNA-P活性とには本質的な差異が存在することが示唆された. B型慢性肝炎 (活動性) 12例において, DNA-P活性とトランスアミナーゼ値の変動が密接に関連している型と, 両者の間に関連性は全く見出せない型とが存在した.

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