日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
慢性肝障害における肝比抵抗値測定
清水 淳桜林 忍杉浦 玄滝沢 秀樹宮崎 浩一西里 吉則斉藤 利彦守 亮三山本 啓一郎小柳 泰久木村 幸三郎芦沢 真六
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1984 年 81 巻 9 号 p. 2005-2011

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抄録

四塩化炭素による慢性肝障害ラット23匹及び慢性肝疾患患者61例の肝比抵抗値を測定した. ラットでは Fibrosis 群1.95±0.23(×103 Ohm cm), LC(I)群1.74±0.17, LC(II)群1.39±0.15であり, Control 群2.24±0.22との間に統計学的に有意差(p<0.01)をみた. 慢性肝疾患患者ではCIH群1.88±0.24,CAH群1.66±0.23, LC群1.27±0.19であり, Control 群2.24±0.30との間に有意差 (p<0.01) 及び有意の傾向 (p<0.05) を認めた. 慢性肝疾患患者では肝比抵抗値は肝血流指数及び肝機能検査のCh-E, γ-gl, ICG (R15), Prothrombin 時間との間に有意の相関がみられた. 慢性肝障害ラット及び慢性肝疾患患者における肝比抵抗値低下の要因としては慢性肝障害による肝組織の変性あるいは肝結合織の増殖などの影響によるものと推測される.

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