日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
高齢者無症状胆石の臨床病理学的検討
早川 富博宮治 真片桐 健二遠山 一太友松 武伊藤 誠武内 俊彦白井 智之山本 俊幸前田 甲子郎
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1984 年 81 巻 9 号 p. 2033-2037

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抄録

高齢者の剖検胆石196例 (平均年齢79歳) における無症状胆石の頻度と癌合併率について検討し, また3年以上観察しえた高齢者無症状胆石60例 (平均年齢76歳) を対象に, 胆石の変化, 症状発現などについて検討した. 剖検胆石例のうち109例 (56%) が無症状胆石であり, その胆嚢癌の合併率は0.9%で, 有症状胆石の10.3%に比べ低値であつた. 経過観察例の検討からは, UDC投与例を含めて胆石の消失が20%, 増大が8%にみられ, 排泄性胆道造影による退影能は約30%が不良化した. しかし, 有症状化率は8%と低率であつた. 以上より高齢者無症状胆石は, 無症状のまま経過する可能性が高く, 注意深い内科的観察は十分妥当性があると考えられた.

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