日本消化器病学会雑誌
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閉塞性黄疸解除後の血清胆汁酸動態
西野 執成木 行彦
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1985 年 82 巻 12 号 p. 2930-2941

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抄録

閉塞性黄疸患者11例の経皮経肝胆管ドレナージ (PTCD) 施行前後よりの血清胆汁酸を測定し検討した. さらに健常人30例についても検討した. 血清胆汁酸はPHP-LH-20にて4分画に分画しGLCで測定した. 健常人の胆汁酸構成では51~66歳までの群でF型のLCA, CDCA, CA, UDCA, G型のCDCAが25歳から50歳までの群より高い傾向を示した. 閉塞性黄疸時の血清総胆汁酸 (TBA) は高値を示し, T型は46.6%, G型は44.2%, S型は8.6%, F型は0.6%を占めた. CDCAとCAの一次胆汁酸はTBAの97%を占めた. PTCD後にTBAは3時間から26.6%の減少を示し, 120時間で93%の減少を認めほぼ正常値に近づいた. F型はPTCD後大きな変動を示さなかつた. G/T比はPTCD後に上昇を示し, ほぼ正常値に近づいた. S型はPTCD後120時間で93%の減少を示したが健常人より高値を示した. C/CDC比はPTCD後減少するが, 健常人より高値を持続した.

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