1985 年 82 巻 12 号 p. 2949-2958
嫌気性菌のうち Bacteroides fragilis, Clostridium perfringens, Peptococcus magnus, Peptostreptococcus anaerobiusについて, GAM培地ならびに胆石症の胆汁中におけるβ-glucuronidase (β-G) 活性を検討した. いずれの嫌気性菌もβ-G活性を示し, とくにB. fragilisに高い活性を認めた. また, B. fragilisとEscherichia coliの混合培養を行ない, 単独培養とβ-G活性につき比較したが, 混合培養にやや高い活性を認めた. また, これら4種の嫌気性菌による培養前後の胆汁酸組成の変化を検討したが, ほとんどすべてに total bile acid, cholic acid, chenodeoxycholic acid の低下, C/CDC比の上昇傾向を認めた. 以上より, 胆汁中のこれらの嫌気性菌の感染はビリルビン結石の生成に関与すると考える.