日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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Zollinger-Ellison 症候群に対するセクレチン負荷試験の検討
松井 敏幸飯田 三雄南部 匠興梠 憲男
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1985 年 82 巻 2 号 p. 288-295

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抄録

Zollinger-Ellison 症候群 (ZES) 8例と non-ZES 20例にセクレチン負荷試験 (ST) を施行した. non-ZESではSTに対しガストリン値は85pg/ml以下, 平均7pg/ml上昇し, 3U/kg•体重と6U/kg•体重負荷時でその反応に差は認められなかつた. ZESの3例では3U/kg負荷では200pg/mlをこえるガストリン上昇はなく, 6U/kg負荷によつて初めて200pg/ml以上の高反応が得られた. 2例のZESで静注と点滴投与によるSTの比較を行つたが, 静注法の方が高い反応が得られた. 従つてZES診断のためのSTは6U/kgの一回静注法が望ましいと考えられる. なお3例のZESでST時カルシウム濃度を同時に測定したが, ガストリン値との関連性は認められなかつた.

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