日本消化器病学会雑誌
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十二指腸潰瘍における十二指腸腔内酸中和能に関する研究
松本 純一荒井 泰道
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1985 年 82 巻 3 号 p. 404-412

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抄録

十二指腸潰瘍において粘膜防御機構としての十二指腸腔内酸中和能を明らかにするため, 十二指腸腔内塩酸負荷を行い, 血漿 secretin 及び膵液分泌能を検討した. 総重炭酸分泌量と最高酸分泌量の比を比較すると, 胃潰瘍例が十二指腸潰瘍例よりも有意に高値を示し, 十二指腸潰瘍例の十二指腸腔内酸中和能は胃潰瘍例よりも低下していることが明らかとなつた. また, 十二指腸潰瘍例は酸中和能の面から胃潰瘍同様良好な例と不良例の2群にわけられた. 胃潰瘍例, 十二指腸潰瘍酸中和能良好例, 十二指腸潰瘍酸中和能不良例の3群とも塩酸投与による血漿 secretin 分泌は2.5分に頂値を有する反応パターンが得られ, 十二指腸潰瘍における酸中和能不良の原因として, (1)内因性 secretin の不活化, あるいは, (2)内因性 secretin の receptor site での障害の可能性が示唆された.

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