Crohn 病非手術例18例と健常対照群8例について, 入院時血清亜鉛値, naso-duodenal feeding tube によるED治療後の亜鉛出納試験, 亜鉛40mg経口投与による負荷試験を施行した. 血清亜鉛値と血清アルブミン値間に有意な正の相関を認め, また Crohn 病患者の activity index (CDAI, Dutch AI) と血清亜鉛値間にも有意な負の相関を認めた. 亜鉛負荷試験にて, AUC (血中薬物濃度下面積) と負荷前の血清亜鉛値間に有意な正の相関が認められたが, 血清アルブミン値間には相関が認められなかつた. 従つて, Crohn 病における低亜鉛血症の主な原因は腸管からの吸収障害によると推論され, その程度は病期によつて左右されることが示唆された.