日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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膵液 trypsinogen の十二指腸内活性化機序に関する研究
第1編 部分的活性化と胆汁の影響
石原 敬夫
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1985 年 82 巻 3 号 p. 489-499

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抄録

膵液 trypsinogen (TG) は十二指腸内で全量が trypsin (T) に活性化されると一般に考えられているが, 生体内ではTGの活性化と共に degradation も進行する. ウサギ膵液, 十二指腸液, 胆汁による37°C in vitro TG活性化実験では, TGは活性化と dearadation を同時にうけて, 一部分 (30~60%) がTに活性化された. 胆汁はCa2+の作用で活性化を促進し, degradation を抑制することによりTGの活性化度を増強した. 各種精製酵素によるTG活性化実験では, 生体の温度, pH, Ca2+濃度ではTGは enterokinase により活性化され, Tによる活性化 (autoactivation) はおこらず, 逆にTはTGおよびTの degradation を進行させた. すなわち膵液TGの十二指腸内での活性化は部分的であり, 胆汁はこれを促進する.

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