1985 年 82 巻 4 号 p. 638-647
各種閉塞性黄疸に対する内視鏡的逆行性胆管ドレナージ法 (ERBD) の臨床的意義を, 経皮経肝的胆管ドレナージ法 (PTBD) の成績と対比し, 検討した. ERBDの成功率は, 93例中76例, 81.7%であり, PTBDの131例中127例, 96.9%に劣るが, 内瘻化の面では優れていた. ERBDのドレナージ効果は, 経時的比較, 閉塞部位別比較の上で, PTBDと同等以上の効果が得られた. ERRDの早期合併症は5.4%で, かつ重篤な合併症が少なかつた. さらに, ERBDは, 生理的内瘻化法であり, 患者の負担を軽減し, 社会復帰を可能とする利点を有し, 今後, 閉塞性黄疸に対する減黄法の第一選択方法として位置付けられると考えられる.