日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
内視鏡的逆行性胆管ドレナージ法 (ERBD) の臨床的評価
経皮経肝的胆管ドレナージ法 (PTBD) との対比において
吉田 俊一清田 啓介向井 秀一西村 和彦趙 栄済小林 正夫安田 健治朗今岡 渉藤本 荘太郎中島 正継山口 勝通木本 邦彦田中 義憲川井 啓市
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1985 年 82 巻 4 号 p. 638-647

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抄録

各種閉塞性黄疸に対する内視鏡的逆行性胆管ドレナージ法 (ERBD) の臨床的意義を, 経皮経肝的胆管ドレナージ法 (PTBD) の成績と対比し, 検討した. ERBDの成功率は, 93例中76例, 81.7%であり, PTBDの131例中127例, 96.9%に劣るが, 内瘻化の面では優れていた. ERBDのドレナージ効果は, 経時的比較, 閉塞部位別比較の上で, PTBDと同等以上の効果が得られた. ERRDの早期合併症は5.4%で, かつ重篤な合併症が少なかつた. さらに, ERBDは, 生理的内瘻化法であり, 患者の負担を軽減し, 社会復帰を可能とする利点を有し, 今後, 閉塞性黄疸に対する減黄法の第一選択方法として位置付けられると考えられる.

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