日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
消化管粘膜におけるアルゴンレーザー光励起蛍光に対する組織内ヘモグロビンの影響
星原 芳雄福地 創太郎早川 和雄山田 直行吉田 行哉橋本 光代小川 高伴西坂 剛
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1985 年 82 巻 8 号 p. 1853-1857

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抄録

胃及び大腸の正常粘膜面におけるアルゴンレーザー光励起蛍光スペクトルは540及び580nm付近に陥凹があり, 560及び600nm付近が突出している. この520nmから600nmまでの凹凸はエピネフリン液の散布や測定用ファイバーによる対象粘膜の圧迫により消失あるいは減少する. 蛍光観察用スライドグラスにて作製した chamber 内にヘモグロビン溶液をいれ, 切除胃固定標本の粘膜筋板を露出させた部位に置いて記録した蛍光スペクトルは生体内の粘膜面から得られるものと酷似している. 従つて, 540及び580nm付近の蛍光強度の減弱と560及び600nm付近の相対的増強は, 組織内ヘモグロビンによつて蛍光が吸収されて生じるものと考えられる.

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