日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
慢性膵炎の病態に伴う膵管内圧の変動と外因性ホルモン負荷による影響
岡崎 和一山本 泰朗
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1985 年 82 巻 8 号 p. 1924-1931

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抄録

慢性膵炎の病期進展に伴う膵管内圧の変動及び secretin, glucagon 負荷による膵管内圧の変動について検討した. (1) 慢性膵炎確診群における主膵管内圧は平均54.5±29.9mmHgで健常群の16.2±8.7mmHgに比して有意の圧上昇を認めた. (2) 臨床的疑診例(40mmHg), 軽度慢性膵炎 (平均51.8mmHg) でも既に膵管内圧は高値を認め, 病初期の膵管内圧の上昇が主膵管拡張の一因になりうると考えられた. 慢性膵炎例においては膵外分泌能が低下するにつれて膵管内圧が再び低下する傾向を認め, 高度慢性膵炎 (平均37.8mmHg) 4例中2例は正常域であつた. (3) glucagon 投与は慢性膵炎の内科的減圧法として有用である可能性が示唆された.

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