日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Vasoactive Intestinal Polypeptide の肝血流量に及ぼす影響
中田 進森瀬 公友満間 照典
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1986 年 83 巻 1 号 p. 72-78

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抄録

VIPの肝血流量に及ぼす影響を電解式組織血流計を用い rat で検討した. 未処置 rat の肝血流量は49.2±3.2ml/min/100gであつた. 末梢静脈から投与した場合, VIPは肝動脈に対し選択的に作用し, 0.2μg/kgで最大40%の増加を, 20μg/kgでは逆に30%の肝血流量の減少を示した. このVIPの作用は量による二相性の作用があり, 作用時間は30~45分であつた. またVIPの作用機序としては, atropine 及び hexamethonium がVIPの作用を抑制することから cholinergic fiber を介して作用すると考えられた. さらに抗VIP血清を投与した結果からVIPは生理的範囲では単独で肝血流量に及ぼす影響は少ないことが示唆された.

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