日本消化器病学会雑誌
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胆道上皮におけるCEA, CA19-9の免疫組織学的研究
経皮経肝胆道鏡直視下生検材料を用いて
岸本 秀雄二村 雄次
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1986 年 83 巻 11 号 p. 2402-2410

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抄録

経皮経肝胆道鏡直視下生検で得られた胆道組織において, Nakane の酵素抗体間接法を用い, CEAおよびCA19-9の免疫組織染色を行つた. さらに, これらの局在様式と, 組織の異型性, 癌の組織型, 血中CEA値•血中CA19-9値とを対比し検討した. CEA, CA19-9は共に異型性が増加するに従つて, 細胞内での局在極性を失い間質内へ漏出する傾向を認めた. また, 癌の分化度によりCEA, CA19-9の局在様式は異なる傾向を認めた. 血中CEA値, 血中CA19-9値と局在様式の対比では, CEA, CA19-9の間質への漏出が, それぞれの血中値上昇の要因であると考えられた. これらの結果より, 直視下生検材料から術前に胆道上皮の異型性を客観的に診断できるものと思われた.

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