日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
閉塞性黄疸犬における血中 secretin, gastrin 動態
田中 洋輔真辺 忠夫戸部 隆吉
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キーワード: 閉塞性黄疸, 総胆管結紮
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1986 年 83 巻 12 号 p. 2529-2537

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抄録

閉塞性黄疸時の空腹時末梢血中 secretin, gastrin の変動および変動の機序を検討するため犬を用い総胆管結紮を施行し, さらに外胆嚢瘻造設による減黄, cimetidine 負荷による胃酸分泌抑制を行つた. secretin の測定には新しく開発されたEIA法を用いた. secretin 値, gastrin 値ともに総胆管結紮後2日目以降高値となり結紮後の有意の上昇を示し, 術後8日目に外胆嚢瘻造設を行うと secretin 値は翌日以降有意に低下した. また総胆管結紮後 cimetidine を負荷しても secretin 値上昇は抑制されず, 結紮後2~4週でもなお secretin 値が著しい高値を持続したのに対し gastrin 値は軽度の低下傾向を示した. 血中 secretin 値上昇の主因として, 肝障害に基づく肝での extraction の低下が想定された.

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