小肝細胞癌23例の腫瘍発育速度を超音波で計測し, doubling time (DT) で表わした. 腫瘍径2cm以下と以上とでDTを比較したところ, 腫瘍径2cm以下よりも2cm以上の方がDTは短かかつた. 発育速度別に, slow growth, intermediate growth, rapid growth の3群に分けたところ, rapid growth と intermediate growth の両群は多発型や塊状型へと進展したのに対し, slow growth 群は結節型にとどまるものが多かつた. 又発育速度と予後とは相関し, 発育の速いものは遅いものより生存率が低かつた. 腫瘍組織は細胞異型度や腫瘍細胞索の太さ等の複数の因子が発育速度に関与した. アルコール常習飲酒 者のDTは, 非常習飲酒者のDTより長かつた.