日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
DMH誘発ラット大腸癌における内因性 Prostaglandins の検討
Indomethacin による腫瘍抑制効果
小池 光正中澤 三郎小沢 高将
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キーワード: 実験大腸癌
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1986 年 83 巻 6 号 p. 1135-1142

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抄録

1,2-Dimethylhydrazine 投与ラットを indomethacin (IND) の投与の有無, 投与時間により4群に分け, ラット大腸癌と内因性 prostaglandin (PG) との関連について検討した. 前期16週間のIND投与で大腸癌の発生個数は有意な減少を認めなかつたが, 後期12週間のIND投与により癌の大きさの総和は有意に減少した. 非癌部のPGEはINDの後期投与により有意に減少し, 癌の大きさの総和で観察された結果と一致していた. 癌部のPGEはIND投与後48時間では差を認めなかつた. PGF2αは非癌部•癌部ともIND投与後48時間では一定の傾向を認めなかつた. 以上より, ラット大腸癌において, 内因性PGEの上昇が癌の増殖に促進的に関与している可能性が示唆された.

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