日本消化器病学会雑誌
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胃排出能検査における固形試験食の検討
林 義峰本郷 道夫佐竹 賢三豊田 隆謙後藤 由夫奥山 信一
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1986 年 83 巻 7 号 p. 1298-1303

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抄録

固形食胃排出能の評価にはアイソトープ法が最も定量性に優れた方法である. 我々はアイソトープの標識が確実で, 食事の調理が容易な固形試験食を考案した. 99mTcスズコロイド標識オムレツ, トーストと牛乳よりなり, 総カロリーは590kcalである. 99mTcスズコロイド標識オムレツは水, 塩酸中ではアイソトープの液体相への遊離は殆どみられず, 胃液中では12%の遊離を認めた. 試験食摂取後, 胃排出曲線は20~40分の停滞の後直線的に下降する固形食に特有のパターンを示した. 健常者10名の成績は胃排出開始時間は31±9分, 150分後の胃内残存率は37±19%であつた. この試験食は固形食胃排出能の測定に適するものと考えられる.

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