日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
マウス肝部分切除後の肝再生に対するインターフェロンの抑制作用に関する生化学的研究
西口 修平黒木 哲夫武田 正針原 重義小林 絢三湯浅 勲大谷 周造森澤 成司門奈 丈之山本 祐夫
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1987 年 84 巻 1 号 p. 36-44

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抄録

インターフェロン (IFN) の細胞増殖抑制機構を明らかにするために, マウス肝部分切除後の肝再生初期における生化学的変化およびDNA合成におけるIFNの影響を検討した. 1) IFN投与マウスにおける肝再生時のDNA合成は対照群の約30%まで低下した. 2) IFN投与マウスでは, 肝再生時に見られるオルニチン脱炭酸酵素 (ODC) 活性の第一峰目が著明に低下し, ODCの反応生成物である putrescine の含量も低値を示した. 3) IFN投与マウスでは, 肝再生初期に生じる adenylate cyclase の活性化が阻害され, 肝内cAMP量の増加が抑制された. 以上よりIFNは肝内のcAMP及び putrescine の抑制を介して肝再生を阻害すると考えられた.

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