超音波内視鏡検査 (EUS) による胃潰瘍の超音波断層像を解析する目的で, 犬酢酸潰瘍6病変, ヒト切除胃潰瘍45病変のEUS像と病理組織像を対比検討した. EUSにより開放性潰瘍及び潰瘍瘢痕の深達度診断が可能であつた. 潰瘍底の浸出層と類線維壊死層は表層の高エコーに, 肉芽層と瘢痕層は中層から深層のやや低エコーまたは低エコーに, 粘膜筋板と固有筋層の融合は第2層と第4層の収束像として, 再生粘膜の被覆は周囲の第1層と連続した高エコー層として描出された. また, EUSは陥凹の形状を正確に描出できた. 同一症例12病変について臨床と切除標本のEUS像は一致し, 本法の臨床応用が可能であることを明らかにした.