1987 年 84 巻 2 号 p. 205-209
胃粘膜病変とスーパーオキシドは最近注目されているが, 著者らは, スーパーオキシドラジカル(O-2) を代謝するCu, Zn-superoxide dismutase (SOD) の阻害剤であるジエチルジチオカルバメートをラットに投与することにより, 胃•小腸に潰瘍性病変の発生することを見出した.
また, 薬物投与後, 経時的に胃粘膜SOD活性を調べると, 1時間, 3時間, 7時間で同活性は有意に低下していた. 以上のことは, 生理的状態でもCu, Zn-SODはO-2の scavenger として働いており, 胃•小腸粘膜防御機構におけるCu, Zn-SODの重要性を示唆するものである.