正常ヒトおよび無症候性HBVキャリアの末梢血単核細胞を3H標識エストラジオールおよび非標識エストラジオールと共に37°Cで培養し, 単核細胞に結合した放射活性を経時的に測定することにより, 単核細胞のエストラジオール結合能を検討した. その結果, 無症候性HBVキャリアでは正常ヒトに比し, 単核細胞のエストラジオール結合能が有意に低下していた. このことにより, 既に著者らが報告した無症候性HBVキャリア単核細胞のエストロゲンに対する応答異常の原因の一部に, 単核細胞のエストロゲン結合能の低下が関与している可能性が示唆された.