日本消化器病学会雑誌
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ヒト肝 glutathione S-transferase のアイソザイムに関する基礎的研究
杉本 元信
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1987 年 84 巻 3 号 p. 698-705

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抄録

ヒト肝3検体から affnity chromatography と chromatofocusing により glutathione S-transferase のアイソザイムを精製した. 主に塩基性C1(等電点9.0), C2(8.7), 中性N1(6.8), 酸性A1(5.4) の各アイソザイムが分離され, そのパターンに個体差がみられた. SDS-polyacrylamide ゲル電気泳動でC1, C2, A1は分子量25000, N1は26000のサブユニットを示し, urea の存在下でC1, A1は分子量のわずかに異なるサブユニットのホモダイマー, C2はこれらのヘテロダイマーとして泳動された. A1のアミノ酸組成, 基質特異性はC1, C2と類似し, これまで報告された酸性アイソザイムの成績と異なつた.

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