日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
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胃癌所属リンパ節の免疫組織化学的検討
稲垣 貴史森瀬 公友森島 泰雄原 一夫
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1987 年 84 巻 4 号 p. 840-850

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抄録

胃癌所属リンパ節の免疫組織化学的検討を行なつた. リンパ節傍濾胞域において, 癌転移陽性リンパ節は癌転移陰性リンパ節に比べLeu2a陽性細胞 (Leu15陰性) の有意な増加が認められ, 癌と関連した宿主防御反応と考えられた. また, Leu7陽性細胞は分化型癌では有意な増加を認めたが, 未分化型癌では, 癌転移陰性リンパ節と差はなく, 癌の組織型の違いによる宿主反応の違いと考えられた. さらに, 癌転移巣周囲には interleukin-2 receptor (IL-2R) 陽性細胞の集簇を認めたが, IL-2R陽性リンパ球は少数で, 大多数は interdigitating reticulum cell および macrophage であつた. これらIL-2R陽性細胞の増加は癌と関連した宿主免疫応答と考えられた.

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