1987 年 84 巻 4 号 p. 840-850
胃癌所属リンパ節の免疫組織化学的検討を行なつた. リンパ節傍濾胞域において, 癌転移陽性リンパ節は癌転移陰性リンパ節に比べLeu2a陽性細胞 (Leu15陰性) の有意な増加が認められ, 癌と関連した宿主防御反応と考えられた. また, Leu7陽性細胞は分化型癌では有意な増加を認めたが, 未分化型癌では, 癌転移陰性リンパ節と差はなく, 癌の組織型の違いによる宿主反応の違いと考えられた. さらに, 癌転移巣周囲には interleukin-2 receptor (IL-2R) 陽性細胞の集簇を認めたが, IL-2R陽性リンパ球は少数で, 大多数は interdigitating reticulum cell および macrophage であつた. これらIL-2R陽性細胞の増加は癌と関連した宿主免疫応答と考えられた.