1987 年 84 巻 7 号 p. 1389-1393
急性胃粘膜病変と superoxide radical は最近注目されているところであるが, 著者らは, indomethacin によつて誘発される胃粘膜病変に対して, radical scavenger である superoxide dismutase (SOD) や catalase が抑制効果を有することを見出した. また, SODが胃粘膜血流の増加傾向作用, 胃酸分泌の抑制作用, そして軽度の胃粘膜PGE2合成促進傾向を有していることもわかつた. このことから, SODや catalase による indomethacin 潰瘍の抑制は, indomethacin によるPGE2合成阻害作用が軽減されているためか, もしくは, indomethacin 潰瘍の発症機序に endotoxin が関与しているためと思われた.