日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
モノクローナル抗体による消化管ムチン抗原の分離と性状の検討
森田 雅範岡崎 和一山本 泰朗
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 84 巻 8 号 p. 1616-1622

詳細
抄録

ラット単離大腸細胞感作マウスリンパ球とマウスミエローマ細胞の細胞融合により, ラットおよびヒトの消化管分泌物と反応するモノクローナル抗体 (MP-B11)を得た. 本抗体の臓器特異性の検討では, ラットの胃, 小腸, 大腸の粘液分泌物に反応した. 種特異性の検討では, ラットの胃, 小腸の分泌物質及び大腸の goblet cell 内容物に反応したが, サル, ウシ, ブタ, トリの消化管とは反応しなかつた.ヒトでは胃, 小腸の分泌物, 及び大腸の吸収上皮, 間質の一部, 腺管内粘液の一部と反応したが, 大腸の goblet cell 内容物とは反応しなかつた. 又, イムノブロット法にて, MP-B11の対応抗原蛋白は分子量60Kダルトンであり, 抗原決定基の一部は sialo-protein であることが明かとなつた.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top