1988 年 85 巻 10 号 p. 2149-2154
水浸拘束下およびエタノール投与下のラットに生じる急性胃びらんに対する, 血小板活性化因子 (PAF) 拮抗薬CV-3988の抑制効果を検討した. CV-3988はラットの水浸拘束下のびらんを容量依存性に抑制した. この抑制はインドメタシン5mg/kg投与下でも認められた. また, CV-3988はエタノール潰瘍も抑制したが, この抑制はインドメタシン5mg/kg投与下でも認められた. これらより, CV-3988による上記の抑制効果は, 内因性プロスタグランジンに依存しないPAF拮抗作用による可能性が示唆され, ストレス下における急性胃粘膜病変の形成にPAFが関与している可能性が明らかとなつた.