日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
水浸拘束およびエタノール投与によるラット急性胃びらんに対する血小板活性化因子 (PAF) 拮抗薬CV-3988の効果
野上 誠星原 芳雄粒良 邦彦山本 敬田淵 正文宮本 昭正志賀 淳治
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1988 年 85 巻 10 号 p. 2149-2154

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抄録

水浸拘束下およびエタノール投与下のラットに生じる急性胃びらんに対する, 血小板活性化因子 (PAF) 拮抗薬CV-3988の抑制効果を検討した. CV-3988はラットの水浸拘束下のびらんを容量依存性に抑制した. この抑制はインドメタシン5mg/kg投与下でも認められた. また, CV-3988はエタノール潰瘍も抑制したが, この抑制はインドメタシン5mg/kg投与下でも認められた. これらより, CV-3988による上記の抑制効果は, 内因性プロスタグランジンに依存しないPAF拮抗作用による可能性が示唆され, ストレス下における急性胃粘膜病変の形成にPAFが関与している可能性が明らかとなつた.

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