急性肝炎59例の胆嚢形態を超音波で観察し, 急性肝炎にみられる胆嚢壁肥厚の臨床的意義を検討した. 超音波検査で38例 (64%) に3.5~20mmの胆嚢壁肥厚がみられた. 胆嚢壁厚は, 肝機能検査のうち総ビリルビン, 直接ビリルビン, 間接ビリルビン, GPTとの間にそれぞれ正の相関を示した. さらに28例の詳細な経過観察の結果, 胆嚢壁厚の変化は直接ビリルビン (総ビリルビン) の増減とよく一致したが, GPTの増減とは一致しなかつた. 以上より, 急性肝炎にみられる胆嚢壁肥厚は血清直接ビリルビン値の上昇をもたらす肝の病態に関連すると推測され, 急性肝炎における胆嚢の超音波検査は黄疸の予後判定に有用と考えられる.