1988 年 85 巻 12 号 p. 2601-2609
組織学的に確定した127症例の肝疾患を対象として, 血中AT-III, α2-PI, PLGを測定し, 肝疾患におけるその臨床的意義につき検討した. 対象例中DICを示した例は除外した.
AT-IIIなど三因子は, 肝疾患が進行するにしたがつて低下し, 肝疾患の慢性度, 重症度を表すよき指標となることが示唆された.
また, これらは肝での蛋白合成能を表すCh-E, HPT, Albと有意な正の相関を, ICG R-15値と負の相関を認め, 肝実質機能を良好に反映する指標となりうることが示唆された.