日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
Omeprazole および Cimetidine の抗潰瘍作用の検討
特に閉塞性黄疸, 急性腎不全ラットにおける胃粘膜障害への効果について
難波 繁伸
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1988 年 85 巻 6 号 p. 1223-1232

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抄録

閉塞性黄疸, 急性腎不全ラットに水浸拘束ストレスを負荷し, これら実験潰瘍について omeprazoleの抗潰瘍作用を cimetidine と比較検討した. 胃粘膜pH上昇作用は, 閉塞性黄疸群, 急性腎不全群両群で, omeprazole は cimetidine よりも強力であつた. PDは, 閉塞性黄疸群では omeprazole に著明な上昇作用が認められたが, cimetidine にはみられなかつた. 急性腎不全群では両薬剤ともにPD上昇作用はほとんど認められなかつた. 抗潰瘍作用は, 両薬剤ともに閉塞性黄疸群では顕著に認められ, 最大抑制値に有意差を認めなかつた. 一方, 急性腎不全群では, omeprazole は閉塞性黄疸群と同様に著明な抗潰瘍作用が認められたが, cimetidine の抗潰瘍作用は軽度にとどまつた.

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