1988 年 85 巻 6 号 p. 1223-1232
閉塞性黄疸, 急性腎不全ラットに水浸拘束ストレスを負荷し, これら実験潰瘍について omeprazoleの抗潰瘍作用を cimetidine と比較検討した. 胃粘膜pH上昇作用は, 閉塞性黄疸群, 急性腎不全群両群で, omeprazole は cimetidine よりも強力であつた. PDは, 閉塞性黄疸群では omeprazole に著明な上昇作用が認められたが, cimetidine にはみられなかつた. 急性腎不全群では両薬剤ともにPD上昇作用はほとんど認められなかつた. 抗潰瘍作用は, 両薬剤ともに閉塞性黄疸群では顕著に認められ, 最大抑制値に有意差を認めなかつた. 一方, 急性腎不全群では, omeprazole は閉塞性黄疸群と同様に著明な抗潰瘍作用が認められたが, cimetidine の抗潰瘍作用は軽度にとどまつた.