1988 年 85 巻 6 号 p. 1252-1259
Single Photon Emission Computed Tomography (SPECT) による肝•脾容積及び放射能摂取率測定の臨床的有用性を検討するため, 肝硬変症24例を含む種々の肝機能異常を示す62例と, 別に健常成人25例についてSPECTを施行した. 肝•脾容積算出の為の cut-off level 及び臓器内放射能測定の為の計数 (カウント)-放射能 (mCi) 較正曲線はファントーム実験より求めた. 肝硬変症においては肝摂取率の減少と脾容積•脾摂取率の増大を認めた. 肝容積•肝摂取率とICG (R15) 検査値との間には, 負の相関を認め肝硬変症においては肝•脾の容積及び摂取率の測定は主として有効肝血流量を反映していることを示唆した.