1988 年 85 巻 7 号 p. 1347-1352
モルモットより遊離胃主細胞を作成し cholecystokinin C端 octapeptide (CCK8), carbachol(CCH) 刺激の細胞内遊離Ca++濃度 ([Ca++]i) やペプシノーゲン分泌反応に及ぼす効果を検討した. CCK8, CCHはペプシノーゲン分泌反応を刺激する夫々10-9M, 10-6Mの濃度から, 濃度依存性にCa++結合 Quin-2 の蛍光を指標とした主細胞内[Ca++]iの増加を刺激した. 従つて, CCK8, CCHは細胞内[Ca++]iの増加を介してペプシノーゲン分泌反応を刺激すると思われた. またCCK8, CCHは細胞外Ca++には依存せず, 共通の細胞内Ca++プールよりCa++を動員し, [Ca++]iの増加を刺激した. 一方histamine, vasoactive intestinal peptide (VIP), secretin, forskolin には主細胞内 [Ca++]i増加作用がなかつた.