1989 年 86 巻 10 号 p. 2379-2386
1,2-dimethylhydrazine (DMH) 誘発大腸腫瘍発生に対する theophylline の影響および ornithine decarboxylase (ODC) •ポリアミンとの関連を検討した. BALB/c雌性マウスを用い, DMHは30mg/kg, sc, 1回/週投与, theophylline は120mg/kg/日飲水中混入連続投与とし, 実験開始後29週目に屠殺した. Theophylline 投与により, 腫瘍発生数は同量DMH投与の約3倍に増加し, また大腸組織中ODC活性•ポリアミン値も増加し, ODC活性と腫瘍発生数の間に有意の相関 (p<0.05) を認めた. よつてDMH誘発大腸腫瘍発生において theophylline は促進的に作用し, 大腸組織中ODC活性亢進•ポリアミン値増加が腫瘍発生の重要な要素であることが示された.