日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
肝細胞癌を内包した adenomatous hyperplasia および境界病変の画像診断
高安 賢一幕内 雅敏広橋 説雄岡崎 伸生村松 幸雄森山 紀之高山 忠利長谷川 博
著者情報
キーワード: 微小肝細胞癌, 画像診断
ジャーナル フリー

1989 年 86 巻 10 号 p. 2404-2412

詳細
抄録

Adenomatous hyperplasia (AH) 9例 (14病変), 肝細胞癌を内包するAH 22例 (28病巣) および境界病巣10例 (12病巣) 計41例 (54病巣) について, 各種画像診断法における有病正診率を検討した. 全病変及び癌を内包するAHの正診率は各々術中超音波; 70%, 88%, 門脈CT; 58%, 71%,; 術前超音波; 44%, 64%, 肝動脈CT; 38%, 50%, CT; 33%, 58%, 血管造影; 17%, 31%, Lipiodol-CT; 9%, 25%の順で癌病巣を内包する病変の方が正診率が高かつた. 血管造影で腫瘍濃染のみられた8例 (17%) はすべて癌を内包するAHであつた. 54病変の平均径は1.2cmと小さく35例 (85%) に肝硬変が併存していた. 肝動脈塞栓療法で壊死を呈した "癌を内包するAH" は1例もみられなかつた.

著者関連情報
© 財団法人 日本消化器病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top