日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
ハムスター胆嚢の収縮•拡張による形態学的変化
青木 俊親
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1989 年 86 巻 11 号 p. 2545-2555

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抄録

ハムスター胆嚢の収縮•拡張における形態学的変化を検討した. 1) 粘膜ヒダは, 収縮時に丈が高くなり, 拡張時に消失した. 2) 粘膜上皮細胞は, 収縮•拡張により細胞の高さと幅が変化した. 3) 粘膜上皮直下の毛細血管は小孔を有し, 特に, 上皮側の内皮細胞には多数の小孔を認めた. 血管の立体構築形態は粘膜ヒダの変化に対応して変化した. 4) リンパ管は, 胆嚢の収縮•拡張によりリンパ管腔の形態の変化が認められ, 胆嚢壁の運動が, リンバ流に対してポンプ的作用を持つことが示唆された. 5) 筋層の平滑筋細胞は多くの細胞間接着装置を有していたが, 神経筋接合部は少なかつた. 収縮に関して体液性因子, 神経因子の複雑な関与が考えられた.

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