日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
クローン病の末梢血ナチュラルキラー細胞活性, リンパ球サブセットの検討およびインターフェロン投与の試み
鴨井 三朗鈴木 宏矢野 洋一光山 慶一佐田 通夫池田 英雄南 徹松尾 義人松隅 則人佐々木 英豊永 純谷川 久一
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1989 年 86 巻 2 号 p. 193-199

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抄録

クローン病 (以下CD) 16例を対象に末梢血ナチュラルキラー細胞活性 (以下NK活性), 末梢血リンパ球サブセットの測定を行い, その意義を検討した. またCD4例にヒトリンパ芽球インターフェロンを投与し, その有用性を検討した. CD活動期ではNK活性は低値であり経時的に測定を行つた例のうち非活動期にNK活性上昇が見られない例では早期に再燃する傾向があつた. リンパ球サブセットではOKT3, OKT4, OKT8, OKla1, OKT4/8値の変化は見られなかつた. Leu7値も正常者群と差が見られず, 同時期に測定したNK活性値との相関も見られなかつた. HLBI投与を行つた4例中1例は再燃し手術を施行されたが, 2例は投与後7~21カ月間, 再燃は認められておらず, 今後検討すべき治療法と考えられた.

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