日本消化器病学会雑誌
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特発性門脈圧亢進症 (IPH) における末梢血および肝•脾組織内リンパ球サブセットの検討
加藤 昇
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1989 年 86 巻 3 号 p. 736-747

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抄録

特発性門脈圧亢進症 (IPH) の成因に関する免疫学的検討の一端として, 本症の末梢血, 肝•脾のリンパ球 subset を中心に検索した. IPHの末梢血では健常人に比し Leu2a+細胞%の低値, Leu3a/Leu2a比の高値がみられた. IPH脾では正常脾に比し赤脾髄の占める面積比が大きく, 肝硬変症脾に比べ赤脾髄でのLeu2a+細胞密度が高かつた. また, 脾内のLeu2a+細胞の大多数はLeu2a+•15-細胞と推察された. 濾胞では正常脾に比べ濾胞径, 胚中心径の増加がみられ, B1+細胞の他, 胚中心•周辺層で Leu3a+細胞の増加がみられた. IPH肝では硬変肝に比し浸潤リンパ球の subset には差はみられないが, 浸潤は極めて軽度であつた. これらの成績はIPHの成因に何らかの免疫異常の関与を示唆するものと思われた.

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