日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
胃底腺性過形成性ポリープの背景胃粘膜の検討
春間 賢隅井 浩治森川 章彦上村 直実忌部 明木村 学徳毛 健治吉原 正治豊島 仁井上 和彦松原 秀樹梶山 梧朗松本 隆允
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1989 年 86 巻 4 号 p. 851-857

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抄録

胃底腺性過形成性ポリープ (胃底腺ポリープ) の胃酸分泌, 血清ガストリン値および血清ペプシノーゲン1 (PG1) 値について, 健常者と腺窩上皮性過形成性ポリープ (腺窩上皮ポリープ) の値と比較検討した. 胃酸分泌と血清PG1値は健常者と胃底腺ポリープでは差がなく, 腺窩上皮ポリープでは著しい低値を示した. 一方, 血清ガストリン値は, 健常者と比較すると, 胃底腺ポリープではやや低値を, 腺窩上皮ポリープでは著しい高値を示した. さらに, 組織学的な検討とあわせ, 胃底腺ポリープは過形成性ポリープの一つに分類されるが, 胃底腺に高度の萎縮をともなう腺窩上皮ポリープとは異なり, 萎縮のない胃底腺粘膜に発生していることを明らかとした.

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