日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
胆嚢結石に対する胆道鏡的截石術の検討
中田 進
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キーワード: 胆嚢結石, 胆道鏡, 截石
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1989 年 86 巻 5 号 p. 1120-1124

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抄録

今回, 著者は経皮経肝嚢内視鏡 (PTCCS) を用いて胆嚢結石症を治療しその有用性について検討した. 対象とした14例は男性6例, 女性8例で, 年齢は40~78歳であつた. 4例は全身状態不良で手術適応がなく, 他の10例は経口胆石溶解療法が無効であつたか適応がなく, かつ本法による治療を希望した患者である. 方法は超音波ガイド下に16Frまで一期的に経皮経肝胆嚢ドレナージを行い, 1~2週後よりPTCCSを実施した. 結果, 1~7回のPTCCSで全例截石し得た. 合併症として, 一過性の軽度の肝機能障害を5例に, また瘻孔形成不全を6例に認めたが重大なものはなかつた. 本法は安全, かつ確実な治療法と考えられた.

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