日本消化器病学会雑誌
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Histamine 刺激の酸分泌反応における細胞内Ca++ 濃度の変化 (第2報)
武藤 信美
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1989 年 86 巻 6 号 p. 1246-1253

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抄録

著者は, histamine 刺激の酸分泌反応における second messenger としてのcyclic AMPと, Ca++との関係について検討し, 両者が互いに協調し合うことを示唆する成績を報告してきた. そして本誌第85巻第8号においては, fura-2/AM を蛍光 probe として用いた2波長励起法で, モルモット単離壁細胞の histamine 刺激による細胞内Ca++濃度上昇を報告した. 今回は, はたしてそのCa++がどのような機序で上昇するのかを知るために, 細胞外Ca++濃度を変えた場合, Ca++ channel blocker を加えた場合, intracellular Ca++ antagonist を加えた場合につき検討し, 合わせて経時的変化も観察した. この結果, histamine 刺激によりまず細胞内貯蔵部位よりCa++ が動員され, 続いて細胞外より流入してくる機序が示唆された.

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